2018.03.15
・室内の音の反響を抑えるのに高い効果
建築分野では外装ばかりでなく、内装でもさまざまな用途で使われます。最も代表的なのはビルや展示場向けの天井パネル、壁パネルへの採用です。パンチングメタルが天井や壁に数多く採用されるのはなぜでしょう。
その理由をいくつか挙げてみると、第1は音響対策です。こうした用途で使われる場合は、室内の音の反響を抑えるためにパネルの裏面にグラスウールなどの吸音材を入れ、パンチング孔を利用して音を吸収します。特に、展示会場では多くの人が歩くことで発生する足音や声などの雑音を減らすのに効果があります。また、劇場や映画館、イベントホールなどでは、音の反響による不協和音を抑えるのに役立ちます。施工時に床の広さや天井の高さとの関係を踏まえ、パンチングの孔径や開孔率を指定されることもあります。
音が孔を通過する時には周波数によって異なる波形を小さくする効果もあるため、空港などではグラスウールを入れないパネルの採用が世界的に広がっています。
第2は美観です。多くのオフィスビルでは各フロアーの天井パネルとして採用されています。エントランスなどでは意匠性(メタル感)や高品位(シャープ感)を訴えるのに適していることから、好まれます。金属パネルはリサイクル性に富んでおり、産業廃棄物の軽減に貢献するという環境面からも採用が増えています。
・特殊な角度の配列パターンにも対応
環境面への配慮という点では、近年、室内の冷暖房を輻射式パネルとすることにより、時間をかけて室温を変化させ、一定に保つシステムが増えています。冷暖房費の軽減効果があるばかりでなく、体にも優しいことからエコロジーの一環として注目されています。パンチングメタルはその構成部品として使われており、共鳴を抑えるために孔を開けて雑音を逃がす効果も期待されています。
内装用途のうち、建物平面が四角形でなく鋭角になっている場合には端部の天井パネルを採用します。天井パネル自体が三角形で構成されるデザインのものもあります。別項で触れているように、パンチングメタルの一般的な配列パターンは60度千鳥、45度千鳥、並列(90度並び)です。しかし、ウチヌキは金型製作から自社で手掛けているので、50度千鳥といった特殊な角度の配列パターンにも対応します。
天井に採用される場合、設置場所に応じてダウンライト開口、スプリンクラー開口、点検口開口などのいわゆる「役物パネル」もあります。このような役物開口部の周りをきれいに縁取りしてほしいという要望にもウチヌキは応えられます。独自金型技術の一つであるグラフィックパンチング技術を応用すれば役物パネルだけでなく、異形パネルなどの特殊縁取り加工にも低コスト、短納期で対応できます。
・道路や鉄道などの防音壁でも存在感
室内ではなく、屋外の防音対策もウチヌキのパンチングパネルの得意分野です。道路や鉄道などの防音壁向けで最もポピュラーなのは15φバーリング×24P(60度千鳥)です。バーリングは開口部に突起をつけた加工法です。防音壁にパンチングメタルが使われる理由の第1はグラスウールなどの吸音材に雑音を吸収させるため、第2はグラスウールを防音壁パネルという一種の箱に固定させるためです。バーリング孔の採用は、吸音材と表面パネル(パンチングパネル)の間に空間をつくることで吸音効果が高まる、パンチング孔自体に突起があるため薄い板厚に対して施工時のパネル強度が増す――などの利点があります。ウチヌキのバーリング孔の強度は特に高いという定評があります。標準タイプばかりでなく、角孔バーリングや他の径のバーリングの加工実績もあります。
最近は防音壁の孔に対する高開孔率を求める声に応えた六角形のものもあります。ウチヌキは基本的にコイル素材からパンチング加工しますので、少量物件から大型物件まで低価格、短納期で対応します。