パンチングメタルコラム

Perforated Metal Column

有孔折板で存在感示すパンチングメタル

2018.03.15

・防風雪柵などの機能製品としても採用

 平面だけでなく、用途に応じてパンチングメタルを折り曲げた有孔折板もさまざまな場面で使われています。有孔折板の孔を通過した風は断面形状によって上下相互に干渉して向きを変えたり、和らいだりします。このため、屋外の防風柵や防雪柵、防波柵などとして普及しています。

 いずれも自然の中で使われるため、一般的な亜鉛メッキ鋼板に比べて耐候性の高い亜鉛・アルミ・マグネシウム合金メッキ製が広く使われています。近年は、より視覚透過性を高めるために、ポリカーボネートなどの透明樹脂素材も採用されるようになりました。

 ウチヌキでは別製品の項目でも紹介したように、有孔折板をコイル素材から手がけ、曲げ加工やフォーミング加工なども自社で行います。フォーミング加工後は自動積載ラインに回すので、安価で高品質な商品提供が可能です。また、金型も自社開発しているので、特に意匠用途向けでは様々なオリジナルパターンに対応します。お客様の要望に応じたオーダーメイドの開口パターン作成にも応じられます。

・建設現場周辺の街並みの景観守る効果も

 自社製作の金型で加工範囲の自由度を広げたウチヌキのパンチングメタルは、お客様の求めに応じて、多種多様な場面で使われています。ふだん何気なく通り過ぎてしまいそうな場所として建設現場の仮囲いにもパンチングメタルは採用されています。昔のように、工事現場の内と外を単純に仕切るばかりでなく、その近くを通る人に配慮した製品も増えています。例えば、グラフィックパンチング技術を駆使し、パンチング孔で樹木の模様などを描くといった表現もできます。これらは建設現場の視認性を高める一方、現場周辺の街並みの景観を損なわないという効果があります。

・換気扇や洗濯機など、家電製品にも続々

 別項で、室内のオーディオに採用されているパンチングメタルの例をご紹介しましたが、カーオーディオ分野でも存在感を発揮しています。車載スピーカーに用いられるスピーカーカバーは現在、コスト的に安価にできる樹脂製が主流です。しかし、音響効果は金属製のほうが格段に高いので、高級車種にはパンチングメタル製のスピーカーカバーが採用されています。

 将来、自動運転が当たり前になると、車内の居住性が問われると予測されています。そうなると、車内の静粛性や高音質に一段と関心が寄せられるでしょう。遠からず訪れるであろう、そうした時代にもパンチングメタルの需要はあるはずです。

 ウチヌキのパンチングメタルは業務厨房用や住宅用の換気扇フィルターとしても採用されています。防音壁向けで培ったバーリング技術を生かして3φ孔の専用パネルも製造しています。バーリング加工は強度を増す効果があるので板厚を薄くできるのが利点です。板厚の薄さは軽量化や低コスト化にも関係します。バーリング加工の特徴である突起は油の垂れを抑える働きもするので一石二鳥です。

 家電製品では家庭用、業務用洗濯機の内胴板にもパンチングメタルが採用されています。この加工にもウチヌキが得意とするバーリングを施した製品があります。

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